「ここは・・・どこ?」
気がつくと私たちはやけに古めかしく、暗い月夜に照らされた見慣れないところに立っていた。
「ここ?ここはね、プラットホームって言うの」
れいながそうまた知らない言葉で教えてくれた。
「あなた達からすれば古い文明。“汽車”と呼ばれる乗り物に乗る場所よ。ほら、後ろのの大きな馬車車みたいな物よ」
れいかがそう言ったので、あたし達が振りむくと、大きな四角い馬車車みたいな物がいくつもつないであった。
でも、先頭には馬はなく、黒光りする鉄のかたまりが煙を吐いていた。
「・・・・これが古代文明の遺産・・・」ティータが口をあんぐりしていった
「そうよ。馬よりも早いんだから☆ここからはこの汽車に乗るのよ☆」れいな楽しい口調で言った。
でもあたしには何か、沈んでるようにも聞こえた・・
「・・・・しかしこれ・・・動くのか?また前みたいな事にはならないだろうな・・」ルドルが心配そうに言った
「あたしだって、前の“飛行船”の二の舞にはなりたくないけど・・でもあれとは違って今度は走るのよね?」
あたし、ミリーはそうれいなに聞いてみた。
「大丈夫大丈夫、絶対!飛行船の時みたいに壊れないから。それに今度は空じゃなくて地面を走るから」
れいなは断言した。でも何でこんなに強い口調なのかな?
いつものれいなとは違う・・・いつもは「絶対」なんて口にしないはずなのに・・・

「そろそろ出発の時間みたいね・・早くしないと乗り遅れるわよ」れいかが言った
「えっ?あっ、じゃあ早くみんなのろうよ」とあたしが言った。
「ごめんねミリー・・・ここから先、あたし達二人は行けないの・・」
「えっ!?」れいなが言ったことがわからず、あたしは聞き返した
「あたしとれいかはちょっと用事があるから、ここから先は3人で行ってね。ごめんね」
「おいおい、また単独行動かよ。今回は何をを取りに行くんだ?」ルドルが言った
でも何か取りに行く物ってあったかな?いままで・・・あれ?さっきまで何してたのかな???
「でも、俺達だけじゃどこに行けばいいのかわかんない・・」ティータが気弱そうに言うと
「大丈夫、終着地点まで行けばわかるから」とれいかが答えてくれた
・・・・・・・・何か引っかかる・・・・何かこの二人隠してる・・・あたしは直感的に思った

「それじゃああたし達もう行くね」まるであたしの考えをのぞいたかのようなタイミングでれいかは言った
「みおくれなくてごめんね・・・じゃあ・・」そういって、二人は低い木でできた隙間を通って行った
たぶんあれが出口なんだろうけど・・・

「じゃあ乗ろうか・・・」ティータが言った・・・何か引っかかる・・
「ちょっと待って!なにかおかしくない?」あたしはそういって二人を引き留めた
「何って・・・何がだ?」ルドルは言った。二人は気づいてないのかな?・・・鈍感・・
「あたし達ここに来る前何してたの?」あたしは言ってみた、わからない記憶の誤差・・
「何してたって・・れいなと一緒に旅してたじゃないか・・ミリーどうしたんだ?」
「違う、そうじゃなくてここに来る少し前!」あたしは声を荒げて言った
「ここに来る少し前って・・あれ?何してたんだ?」ルドルはいきなり悩みだした。
「ちょっと順番立てて考えてみようよ」ティータは言った。
そうよね、そうゆう事はあなたの得意分野だもんね
「まず、村かられいなと一緒に物売りの大人達と街に行ったんだよな・・」
「そんな前から初めてどうするのよ!」ミリーが怒って言った。
これがティータの欠点でもある。
「確か封印の壺を開けたられいなの姉さんのれいかがでてきたんだよな」ルドルが言った
「ええ、それからもう一つの封印の壺を確かめるって言って地中の神殿に行ったのよね」
「それから地下遺跡で・・何だったけ?」ティータが言ったところで気がついた
「そうよそこから先よ!そこから今まで抜けてるのよ!」あたしが言った
「それよりここはどこなんだろうね・・」ティータが言ったとき気づいた。
あたし達はどうしてここにいるの??全然知らない、全くわかんないところに・・・

「ねぇ、そこのお三人さん、どうしてそこの夜汽車に乗らないの?」
突然澄んだ女の子の声がして、あたし達は振り向いた。
振り向くと、ベンチに座った、見たこともないような服を着てる一人の少女がいました。
あたしよりちょっと年上かな・・・でもまだ大人になってないような・・そんな感じの女性でした
「・・・あなた、誰?」あたしは思いきって聞いてみると、
「あたし?あたしは美香。あなた達は?」
そこであたし達は自己紹介をし始めました。
「ティータにルドルにミリーか。なんだか外国人の名前みたい。でも日本語しゃべってるわね」美香は言った。
外国人?日本語???
「えっ?あたし達がしゃべってる言葉ってエグリシア共通語だよね?」あたしは言った
「僕はそうしゃべってるつもりだけど・・古代神聖語とかに聞こえる?」ティータは言った
「聞こえるわけないでしょ・・・それって魔法語なんだから・・」あたしはあきれたように言いました。
「そうなんだ・・・世界が違うみたいね・・でもここじゃ関係ないもんね」そう美香は言った
「えっ????」ルドルはいっぺんに混乱したみたい。頭使うの苦手だからね・・でもあたしでもわかんない・・
「美香さん・・・ここっていったい何なんですか?」あたしは思いきって聞いてみた。
すると、美香はほほえんで言いました。
「ミリーさん、知らない方が幸せって言う言葉、知ってますか?」
「???知ってますけど・・・・どうゆう事ですか!?」
あたしが勢いよく聞くと美香は黙ってれいな達の通った低い木でできた隙間を指さしました。
あたしはそちらの方をむくと、そこにはいっぱい人がいました。

みたこともない、美香さんと似たような服を着ている人や、真っ白の法衣みたいなローブを着ている人達など、
いろいろな人がいました。そして、みんな一様に濡れていて、寒さに震えている人もいました。
その中の黒いつやつや髪の少年と、黒い服を着た青年、黒いガウンを着た少女がこちらに近づいてきました
「どうしましたか?」と美香さんが聞くと、
「氷山にぶっつかって船が沈みましてね...」と男の人は答えました。
・・・えっ?船が沈んだ?じゃあこの人達はいったい・・・
「ねぇおじちゃん、私たちはどうなるの?」黒いガウンを着た少女が言うと
「わたしたちは天へゆくのです。もうなにもこわいことはありません」と答えました。
そしてその人達は夜汽車に乗りました。すると、汽車は「ボォー」っと音を出し、出発しました。
まるで星の海を空を飛んでいくように・・・

そうなんだ・・・ここは・・・・
やっと思い出した・・あたし達・・・地中の神殿で、変な機械にあって・・
そして、カタカタってミシンのような音がして・・・それでなんだか熱くなって・・・
それで目の前が真っ暗に・・・

あたしが振り返るとティータとルドルの二人も呆然としたように立っていた。
二人とも思い出したんだ・・・そして気づいたんだ・・・ここは・・・・

「お三方ともここがどこだか気づいたようですね。だから知らない方が幸せだっていったでしょ」
美香さんの言葉でやっとあたしは我に返った。
知らなければ・・・思い出さなければ・・・このまま幸せに逝けたのかな・・・

そして今度は、あの低い木でできた隙間から、今度はよく似た二人の兄妹がきました。
二人ともあたし達とよく似た、それでいてどことなく違う服を着ていて、
お兄ちゃんの方は剣を、妹さんの方は弓を持っていました。

「ねぇカンパネルラ・・あたし達どうなるのかな?」
「オリンピア、心配しなくていいよ。じきにあの方が迎えに来るはずだよ」

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「いや・・・あたしまだみんなを見捨てていけない・・」

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二人は低い木でできた隙間を通り、そして見えなくなりました。
それを見た光の船に乗ったラレイエはほほえんで、そして光の船をこいでどこかに行きました。

「さぁ、あなた方はどうするの?」美香さんはあたし達に聞いてきました。